未成年者による割賦契約

Question

18歳のAは販売会社の従業員であるBにそそのかされ、資格を取るための教材を月払いで支払う契約をしました。その際、Bが年齢を20歳と書くように指示したので、言われたとおりに記載しました。しかし、Aはあとで毎月の支払いをしていくことは困難だと考え、契約の取消を申し出ました。Aは未成年者としてこの契約の取消ができるのでしょうか。

Answer

通常、未成年者などの制限能力者となる者は、その法定代理人となる者の同意を得ないで行った契約を取消すことができます。

しかし自ら年齢を偽って契約をしてしまった場合は「制限能力者の詐術」に該当し取消すことができなくなります。

この事案の場合には本人の意思とは違って、業者側の指示のもとに年齢を偽って記載入したのですから契約の取消が可能となります。

業者がこのような事をさせる理由は、制限能力者が法定代理人となる者の同意を得ないで行った契約は、クリーングオフや消費者契約法の取り消しとは別に、契約の追認ができる時から5年間は、理由のいかんにかかわらず取消をできるからです。

追認とは、契約をした後で、保護者などがその契約を有効となるように認めたり、認め得た状況になったことを言います。

ただし、日常的な売買契約(コンビニや本屋での買物など)には法定代理人の同意は必要ありません。

民法の改正によって、2022年4月1日より、その時点で18歳に達している者は成年として扱われることになるので、契約も親の同意が不要となります。

高校生であっても、18歳であれば自由に契約ができるようになるので、家族を含めて十分に注意しておく必要があると思います。

その時がきた時点で、どんどん騙される若者が増えるのではないかと、大変危惧致しております。


★制限能力者となるのは、成年被後見人被保佐人被補助人があります。

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