割賦販売法

割賦販売法とは

高額の商品を買う際には、一括ではなく、毎月分割して支払いをすることがありますが、その支払いは販売業者ではなく、クレジット会社に支払っていくのが通常です。クレジット会社が販売業者に商品の代金を一括して支払い、消費者が手数料を商品代に加算して支払っていくわけです。

このような分割購入には、クレジットカード等を利用しないで、そのぞれの取引ごとに売買契約を結び商品購入をする、個品割賦購入あっせんと、カード等を利用する総合割賦購入あっせんがあります。この両者をまとめて割賦購入あっせんと呼んでいます。

割賦販売の対象となるのは2ヶ月以上に渡って3回以上の分割で代金を支払う契約や、2ヶ月以上後の1回払い以上の契約です。

ただし、自社割賦の場合は、2ヶ月以上に渡って3回以上の分割払いしか適用が受けられません。

その他、割賦販売方式には、自社割賦ローン提携販売前払式割賦販売前払式特定取引などがあります。

抗弁の接続

商品を買う消費者と商品を売る販売業者とその間に立つクレジット会社等が介在した3者間取引では、商品が届かない内にその販売業者が倒産などをすれば、消費者には毎月の月賦だけが残ってしまいます。

そこで消費者保護の観点から、手数料を取って利益を得るクレジット会社にも、その責任を持たせるために一定の条件の下で、支払い停止の申出をすることができるのです。このことを抗弁の接続といいます。

抗弁の接続の手続きが完了すると、支払いの停止ができるばかりでなく、当然販売業者に対しては既払金の返還を請求することができます。しかし販売業者が倒産をした場合には既払金の返還まではできない恐れがあります。

抗弁ができる場合には次のような事由が必要となります。

①クーリングオフができる場合
②目的の商品等が異なる場合
③商品等の引渡しがされていない場合
④商品に欠陥がある場合
⑤錯誤による無効、詐欺・強迫により取消すことができる場合
⑥未成年者や成年被後見人等で、親権者の同意等のない制限能力者による売買契約の場合
⑦その他、公序良俗違反によって売買契約が無効となる場合

但し、支払い総額が4万円以上リボルビング払いの場合は3万8千円以上)で指定商品・指定権利・指定役務に限ります。

割賦販売法が適用されない場合

◆割賦販売であっても、次のような場合には適用されませんので注意して下さい。

①指定商品又はこれを部品や附属品とする商品を販売することを業とする者に対して行う当該指定商品の割賦販売(連鎖販売個人契約に係るものを除く。)
②輸出取引
③国や地方公共団体が行う販売または役務の提供
④労働組合等の団体がその組合員に対して行う販売や役務の提供
⑤事業者がその従業員に対して行った販売または役務の提供
⑥指定権利を販売する契約又は指定役務を提供する契約(連鎖販売個人契約及び業務提供誘引販売個人契約を除く。)であつて、当該契約の申込みをした者、購入者又は役務の提供を受ける者のために商行為となる割賦販売

◆ご自分で判断の付かない場合は迷わずご相談ください。

書面交付とその必要記載事項

契約等の書面の交付は売買契約締結時に割賦販売業者(商品等を販売する事業者)やローン提携販売業者(ローンで商品等を販売する事業者)または割賦購入あっせん業者(クレジット会社等)が行います。

営業所等以外の場所で購入の申し込みがある場合は申込書面の交付もしなければなりません。

販売業者が契約書面に記載する必要のある事項は次の通りです。

①割賦販売価格
②各月ごとの支払額
③②の支払いの時期やその方法
④商品の引渡時期または権利・役務の提供時期
⑤契約の解除に関する事項
⑥所有権の移転に関する定めがあるときはその内容
⑦その他経済産業省令で定める事項

クーリングオフ

割賦販売法におけるクーリングオフは次の場合に限って行うことができます。ただし、本法によってクーリングオフができない場合は、特定商取引法や消費者契約法または民法等によってクーリングオフや取消ができる場合があります。

①指定役務・指定権利の場合
②営業所等以外の場所で申し込みや契約をした場合
③クーリングオフができるとする書面の交付を受けてから8日以内
商品等の代金を全額支払った場合はクーリングオフができません。
指定商品であっても、原則的に自動車等の場合や、事業者同士の契約のような商行為となるような場合にはクーリングオフの適用はありません。
指定商品の使用または消費したときで、クーリングオフができない旨を正しく告知されているにもかかわらず、使用または消費した場合
例えば、健康食品や化粧品など、商品の包装を開封しただけでは使用・消費したとはみなされません。

損害賠償額の制限

クーリングオフの有効期間が過ぎた後で、契約の解除がなされた時は、事業者側に法外な違約金等を請求をされないように損害賠償の範囲が法律により次のように限定されています。

●商品や権利が返還された場合は、通常の使用料の額、または割賦販売価格と目的物の残存価額との差額とのいずれか多い方の額
使用料や残存価額とは商品の減価償却費や金利等を考慮した合理的な額と考えてよいかもしれません。

●商品や権利が返還されない場合は、割賦販売価格に相当する額

●役務を提供した後である場合は、一定の場合を除き、提供した役務の対価に割賦提供価格から提供価格を引いた額を合計した額

●商品や権利をまだ渡していない場合、若しくは役務を提供する前である場合は、契約の締結や履行に通常要する費用の額

契約の締結にかかる費用は書面作成費や印紙税、代金取立ての費用が含まれます。また通常要する費用とは、現実にかかった費用ではなく、全ての場合の平均費用が標準となります。

◆これらに法定利率年6%の遅延損害金を加算したもの。

契約解除の制限

◆販売業者は消費者が分割支払いの義務を履行しない場合でも、20日以上の期間を定めて支払いを書面で催告し、その期間内に支払いが行われなければ、契約を解除したり支払期日の到来していない残りの支払金の請求をすることはできません。

また、前記の事項に反する特約があっても無効となります。

罰則

●1年以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられる場合。
●割賦購入あっせん業を営む際に経済産業省の登録を受けていない場合。
●業としてカードを譲り受けたり借りたりしてお金を引き出した場合。
・・・など

割賦販売法Q&A


まずは無料メール相談をご利用下さい。

PageTop このページのトップへ
Copyright (C) 2007 クーリングオフ相談所 All rights reserved.