電話勧誘販売

電話勧誘販売

事業者側が消費者に電話をかけたり、契約締結についてその目的を告げずに消費者に電話をかけさせたりして、郵便等またはメールなどによってその契約の申し込みを受けたり、契約の締結をする形態のものです。

勧誘の目的を告げないというのは「至急こちらへお電話をください」などのハガキを送ったり、留守番電話をしたりすることです。

「キャンペーン期間中ですので通常価格の半値で購入できます」などのように、他のものに比して著しく有利な条件で勧誘してくるものも含まれます。

特定商取引法の電話販売取引に適用されない場合

◆形態は電話勧誘販売であっても、次のような場合等には特定商取引法は適用されません。

①事業者間による取引
②国外にいる者に対する契約
③国や地方公共団体が行う販売または役務の提供
④労働組合等の団体がその組合員に対して行う販売や役務の提供
⑤事業者がその従業員に対して行った販売または役務の提供
⑥政令で指定された商品等以外
⑦継続的取引(1年以内に2回以上の取引をした場合)

事業者氏名等の明示

◆販売業者や役務提供事業者は電話勧誘を行うときは、その勧誘の際に、消費者に対して次の事項を告げなければなりません。

●事業者の氏名(名称)
●勧誘を行う者の氏名
●契約の締結について勧誘をする目的である旨
●販売しようとする商品や権利、役務の種類

書面交付とその必要記載事項

◆販売業者や役務提供事業者は、契約の申込みを受けたときや契約を締結したときは、以下の事項を記載した書面を消費者に渡さなければなりません。

①販売価格または役務の対価
②代金または対価の支払時期及びその方法
③商品の引渡時期または権利の移転時期または役務の提供時期
④契約の申込みの撤回または契約の解除に関する事項
⑤事業者の氏名(名称)、住所、電話番号、法人にあっては代表者の氏名
⑥契約の締結を担当した者の氏名
⑦契約の締結の年月日
⑧商品名、商品の商標または製造業者名
⑨商品の型式若しくは種類または権利、役務の種類)
⑩商品の数量
⑪商品に隠れた瑕疵がある場合の販売業者の責任についての定めがあるときはその内容
⑫契約の解除に関する定めがあるときは、その内容
⑬そのほか特約があるときは、その内容

その他、書面をよく読むべき旨を、赤枠の中に赤字で記載しなければなりません。また、クーリング・オフの事項についても赤枠の中に赤字で記載しなければなりません。さらに、書面の字の大きさは8ポイント(官報の字の大きさ)以上にすることが義務付けられています。

悪質業者の書面ではこれらの事項における不備が多々見られます。上記の記載がなかったり書面自体が渡されていなければクーリングオフの始期は開始しません。

禁止行為

電話勧誘販売においては、以下のような行為が禁止されています。

●売買契約等の締結について勧誘を行う際、または申込みの撤回や契約の解除を妨げるために、次の事項につき事実と違うことを告げること 。

①商品の性能・品質、役務の内容やその他省令で定める事項
②販売価格・役務の対価
③代金支払いの時期
④商品の引渡時期・役務の提供時期
⑤契約解除に関する事項
⑥契約締結を必要とする事情に関する事項
⑦消費者の判断に影響を及ぼす重要なもの
省令6条の2の、商品の効能、商品の内容・効果・商標・製造者名、商品の販売数量、商品の必要数量、役務・権利にかかる役務の効果

●売買契約等の締結について勧誘を行う際、上記の①~⑤の事項に関して故意に事実を告げないこと。
●売買契約等の締結について勧誘を行う際、または申込みの撤回や契約の解除を妨げるために、威迫して困惑させること。
●電話勧誘を行う際に、契約等を締結しない意思を表示した者に対し、勧誘の継続および再勧誘をすること。

前払式電話勧誘販売の承諾等の通知

◆電話勧誘販売において、事業者が商品を送付する前に消費者に商品の代金支払いをさせる販売方法を前払式通信販売といいます。

◆この販売方式では消費者側が圧倒的に不利になるので、事業者は次の事項において遅滞なく(2・3日程度)書面又は電子メール等で消費者に通知しなければなりません。
①申込みの承諾の有無(承諾しないときは、受け取ったお金を直ぐに返す旨と、その方法を明らかにしなければならない。)
②代金等を受け取る前に申込みの承諾の有無を通知しているときは、その旨
③事業者の氏名または名称、住所、電話番号
④受領した金銭の額及びそれ以前にも金銭を受け取っているときは、その合計額
⑤代金等を受け取った年月日
⑥申込みを受けた商品とその数量または権利、役務の種類
⑦承諾するときは、商品の引渡時期または権利の移転時期、役務の提供時期は期間または期限を明らかにすること

クーリングオフ

電話勧誘販売におけるクーリングオフ有効期間は法定書面を受領した日を起算日として8日間です。しかし、上記のような禁止行為等を行いクーリングオフ妨害行為があった時は、再度、法定書面を受領した日から8日間はクーリングオフができます。

クーリング・オフを行使すると、消費者が既に商品もしくは権利を受け取っている場合でも、販売業者の負担によって、その商品を引き取ってもらうことおよび権利を返還することができます。また、役務が既に提供されている場合でも、その対価を支払う必要はありません。また、消費者は、損害賠償や違約金を支払う必要はなく、既に頭金など対価を支払っている場合もそのお金を返してもらうことができます。

◆原則的に指定消耗品の使用・消費があった時や適用除外商品であったり、3千円未満の現金取引などの場合はクーリングオフができません。

契約の申込みとその承諾の意思表示の取消し

事業者が、契約の締結について勧誘をする際、以下の行為をしたことにより、消費者がそれぞれ以下の誤認をし、それによって契約の申込みまたはその承諾の意思表示をしたときは、その意思表示を取り消すことができます。

●事実と違うことを告げられた場合に、その告げられた内容が事実であると誤認した場合。
※消費者を誤認させる意思や、それによって消費者に契約の申し込みや承諾の意思表示をさせる意思がなくても取消ができます。

●故意に事実を告げられなかった場合に、その事実が存在しないと誤認した場合。
※この場合は故意による事実の不告知が必要です。

損害賠償額の制限

◆クーリングオフの有効期間が過ぎた後で、契約の解除がなされた時は、事業者側に法外な違約金等を請求をされないように損害賠償の範囲が法律により次のように限定されています。

●商品や権利が返還された場合は、通常の使用料の額、若しくは販売価格から転売可能価格を引いた額が、通常の使用料の額を超えているときはその額となります。

商品(権利)が返還された場合は、通常の使用料の額(販売価格から転売可能価格を引いた額が、通常の使用料の額を超えているときはその額)

●商品や権利が返還されない場合は、販売価格に相当する額
●役務を提供した後である場合は、提供した役務の対価に相当する額
●商品や権利をまだ渡していない場合、若しくは役務を提供する前である場合は、契約の締結や履行に通常要する費用の額

これらに法定利率年6%の遅延損害金を加算したもの。

行政規制と刑事罰則

行政措置として、事業者の氏名明示義務・書面交付義務・禁止行為規定・指示対象行為に違反に対して、主務大臣(経済産業大臣及びその他の管轄大臣)は事業者に必要な措置を講じるように指示したり、業務停止命令、立入調査ができます。

◆刑事罰則として
①書面交付義務違反→100万円以下の罰金
②禁止行為違反→2年以下の懲役又は300万円以下の罰金、またはこの両方を科されます
③指示処分違反→100万円以下の罰金
④業務停止命令違反→2年以下の懲役又は300万円以下の罰金、またはこの両方を科されます。


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